切附本『英名八犬士』と改竄本『里見八犬伝』
鈍亭魯文の手掛けた『南総里見八犬伝』を抄録した切附本は、後に改竄され、
文字題簽に「曲亭馬琴著」と記し、見返序文口絵を省いて、新刻した口絵半丁
を加え、内題に象眼して「里見八犬伝 曲亭馬琴識[印]」とした上で、刊記を
削っている。しかし、手間を惜しんでか尾題を残しているのが御愛嬌。
双方とも中本八巻八冊 初板は伊勢屋板、のち品川屋を経て、文江堂に拠って
改竄されたものと思われる。詳しくは 拙稿参照。
英名八犬士三編表紙 里見八犬伝三編表紙
自序 見返 新刻された口絵
口絵第一図
口絵第二図
本文冒頭 内題と内題下署名に入木
尾題と刊記 刊記を削る 尾題はそのまま